2009年9月8日火曜日

秋のカブトムシ

 家にはカブトムシがいる。tomoの支援級のクラスで飼われていたやつだが、夏休み中は世話をするひとがいないとういので、うちに引き取られたのだ。最初はオスとメス、2匹がいたが夏休み半ばでメスが死んでしまい、オスはヤモメになってしまった。夏休みも終わったいま、オスの方もだんだん元気がなくなり、動きも鈍く、エサの減り方も少ない。土に潜るのもやめてしまった。そして、よくひっくり返る。ひっくり返ると、起きようとして手足をふり動かすが、ケースの壁はつるつるしているし、のぼり木も細いのが1本ほうりこんであるだけなので支えにはならず、ずっと起き上がれないでいる。のぞくと、たいてい、仰向けになってばたばたしているので、その度に手で戻してやるのだが、しばらくするとまたひっくり返るらしい。飼いはじめの頃はこんなではなかったので、これは、老化だろうか。最近は、仰向けになったまま、ばたばたも止めてしまっている事が多い。人生というか虫生をあきらめているようにも見えるし、ふてくされているようにも見える。外では、蝉の鳴き声もまばらになり、夜にはもう秋の虫が我が物顔だ。その声をききながら仰向けになっているカブトムシの脳裏にあるのはいったいどんな景色なんだろう。1日1回、水分補給に、フタの部分に針でいくつか穴をあけたペットボトルで水をかけるときだけ、「おおっ!」と、カブトを振り立てる。まるで、ライバルのクワガタでも探すように。だが、またすぐに外界への関心は失われ、もぞもぞとゼリーをすすって、季節の脇役となった虫はまたひっくり返るのだ。

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